検索結果の1ページ目を信じるな。本当に実力のあるファクタリング会社を見つけ出す3つの鉄則

「ファクタリング おすすめ」と検索して、上位に表示されたサイトを見て会社を選ぼうとしていませんか。
もしそうなら、少しだけ立ち止まってこの記事を読んでいただきたいのです。

私は元メガバンクの法人融資担当として、12年間で数百社の中小企業の資金繰りを見てきました。
銀行を退職した今、「ファクタリングジャーナル」の編集長として日々感じていることがあります。
それは、経営者が本当に必要としている「客観的で正確な情報」が、インターネット上にはあまりにも少ないという現実です。

この記事では、検索結果の上位に表示される情報を鵜呑みにせず、ご自身の目で本当に実力のあるファクタリング会社を見つけ出すための「3つの鉄則」をお伝えします。
銀行融資の審査を行ってきた立場だからこそ見える視点を交えながら、具体的な確認方法まで踏み込んで解説いたします。

資金繰りに悩む経営者の皆様が、情報に振り回されることなく、最適な資金調達の選択肢を手に入れられることを願っています。

なぜ「検索1ページ目」を鵜呑みにしてはいけないのか

ファクタリング会社を探そうとしたとき、多くの方がまず行うのは「ファクタリング おすすめ」「ファクタリング 比較」といったキーワードでの検索でしょう。
検索結果の1ページ目には、きれいにデザインされたランキングサイトや比較サイトが並びます。
「〇〇ランキング1位」「顧客満足度No.1」といった文字が目に飛び込んでくると、つい信頼してしまいたくなる気持ちはよく分かります。

しかし、元銀行員として申し上げます。
その情報の「出どころ」と「目的」を確認せずに判断することは、融資審査で言えば決算書を見ずに融資を決めるようなものです。

ランキングサイトの多くはアフィリエイト目的で作られている

インターネット上のファクタリング比較サイトの多くは、「アフィリエイト」と呼ばれる広告収入を目的として運営されています。
アフィリエイトとは、サイトを通じてファクタリング会社に申し込みがあった場合、サイト運営者に紹介料が支払われる仕組みのことです。

ここで重要なのは、ランキングの順位が「利用者にとっての良し悪し」ではなく、「サイト運営者への紹介料の高さ」で決まっている可能性があるという点です。
実際に、ファクタリングの知識がなくても、必要事項を入力するだけでそれらしい比較サイトが作れてしまう情報商材が販売されているという報告もあります[1]。

つまり、一度もファクタリングを利用したことがない人が、広告収入目的で「おすすめランキング」を作成しているケースが少なからず存在するのです。

広告費で検索順位は操作できる現実

検索結果の上位に表示されているからといって、その情報が正確であるとは限りません。
検索エンジンの仕組み上、広告費を支払えば、内容の質に関係なく上位に表示させることが可能です。

実際に「ファクタリング 比較」などで検索すると、【広告】のアイコンが付いたサイトが複数表示されます。
これらのサイトの中には、おすすめの業者をランク付けしただけの1ページで構成され、その根拠となる詳細な情報や、ファクタリングに関する基礎知識のページが見当たらないものも存在します。

広告だから悪いということではありません。
しかし、「検索上位=信頼できる」という思い込みは捨てる必要があるということです。

元銀行員が見た、情報の非対称性という問題

銀行員時代、私は多くの経営者から「銀行の審査基準が分からない」「何を準備すればいいか教えてもらえない」という声を聞いてきました。
これは「情報の非対称性」と呼ばれる問題で、サービスを提供する側と利用する側の間に情報格差があることを指します。

ファクタリング業界にも、この情報の非対称性が色濃く存在しています。
手数料の決まり方、契約条件の意味、業者の信頼性の見極め方など、利用者が本当に知りたい情報が体系的に整理されていないのが現状です。

だからこそ、ランキングサイトの情報を鵜呑みにするのではなく、ご自身で確認できる客観的な基準を持つことが重要になります。
これから紹介する「3つの鉄則」は、まさにその基準となるものです。

【鉄則1】公的機関のお墨付きを確認せよ

最初の鉄則は、「公的機関からの認定や登録の有無を確認する」ことです。
ファクタリング業界には、貸金業のような免許制度がありません。
そのため、誰でもファクタリング会社を名乗ることができてしまうという構造的な問題があります。

しかし、だからといって信頼性を確認する手段がないわけではありません。
公的機関が提供している情報を活用することで、その会社の実在性や専門性をある程度まで確認することができます。

経営革新等支援機関の認定とは何か

ファクタリング会社を選ぶ際に、一つの目安となるのが「経営革新等支援機関」の認定を受けているかどうかです。

経営革新等支援機関とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国が認定した支援機関のことを指します[2]。
認定を受けるためには、税務・金融・企業財務に関する専門的知識を有していること、そして3年以上の実務経験があることなど、中小企業庁が設けた厳格な基準をクリアする必要があります。

この認定を受けているファクタリング会社は、少なくとも「専門性と実務経験について国のお墨付きを得ている」と判断できます。
もちろん、認定を受けていないからといって悪質な業者とは限りませんが、信頼性を測る一つの指標として有効です。

中小企業庁の認定検索システムで実際に確認する方法

経営革新等支援機関の認定を受けているかどうかは、中小企業庁のウェブサイトで誰でも無料で確認することができます。

「認定経営革新等支援機関検索システム」にアクセスし、ファクタリング会社の名称や所在地を入力すると、認定の有無や認定番号、支援実績などが表示されます。
検索の手順は非常にシンプルで、数分もあれば確認が完了します。

この確認作業を行うだけで、少なくとも「国が一定の専門性を認めた機関かどうか」という客観的な情報を得ることができるのです。

国税庁の法人番号公表サイトで実在を裏取りする

もう一つ確認しておきたいのが、そのファクタリング会社が法人として実在しているかどうかです。

国税庁が運営する「法人番号公表サイト」では、法人番号の指定を受けた法人の基本情報(商号・名称、本店所在地、法人番号)を検索することができます[1]。
ファクタリング会社の名称で検索し、公式サイトに記載されている住所や会社名と一致するかを確認してください。

悪質な業者の中には、架空の住所を記載していたり、実在しない会社名を名乗っていたりするケースがあります。
法人番号公表サイトでの確認は、そうした初歩的な詐欺を見抜くための第一歩となります。

また、検索結果には「変更履歴」も表示されるため、頻繁に商号や所在地を変更している会社かどうかも確認できます。
短期間に何度も変更を繰り返している会社は、何らかの問題を抱えている可能性があるため、慎重に判断すべきでしょう。

【鉄則2】契約条件の「3つの地雷」を見抜け

2つ目の鉄則は、「契約条件に潜む危険なサインを見抜く」ことです。
どれほど公式サイトが立派に見えても、契約内容に問題があれば意味がありません。

特に注意すべきなのは、ファクタリングを装った違法な貸付、いわゆる「偽装ファクタリング」の存在です。
金融庁も公式サイトで注意喚起を行っており、「ヤミ金融を利用しないよう、十分注意してください」と警告しています[2]。

以下の「3つの地雷」を契約前に必ず確認してください。

地雷①「償還請求権あり」は融資の偽装

ファクタリング契約で最も注意すべきポイントが、「償還請求権」の有無です。

償還請求権とは、売掛先が代金を支払えなかった場合に、ファクタリング会社が利用者に対して買い戻しを請求できる権利のことです。
正規のファクタリングは「債権の売買」であり、売却した債権が回収不能になるリスクはファクタリング会社が負担します。
これを「ノンリコース(償還請求権なし)」と呼びます。

しかし、偽装ファクタリング業者は、契約書に「償還請求権あり」の条項を盛り込み、売掛先が支払いを行わなかった場合に利用者に買い戻しを強要します。
これは実質的に「売掛金を担保とした貸付」であり、貸金業登録をしていない業者がこれを行えば違法となります[2]。

契約書を確認する際は、「償還請求権」「買戻し義務」「遡及権」といった文言がないかを必ずチェックしてください。

地雷②手数料が相場から著しく逸脱している

ファクタリングの手数料には、契約形態によって一般的な相場が存在します。

2社間ファクタリング(利用者とファクタリング会社の2者で契約)の場合、手数料の相場は8%~18%程度です。
3社間ファクタリング(売掛先も含めた3者で契約)の場合、手数料の相場は2%~9%程度とされています[3]。

問題となるのは、この相場から著しく逸脱している場合です。

まず、2社間ファクタリングで手数料が20%を超えるような業者は、悪質な可能性が高いと考えられます。
年利換算すると法外な金利になり、利息制限法の上限をはるかに超えることになります。

一方、「手数料1%~」など極端に低い手数料を謳っている場合も注意が必要です。
2社間ファクタリングには一定のリスクとコストがかかるため、あまりに低い手数料は誇大広告か、契約後に追加費用を請求される可能性を疑うべきでしょう。

地雷③契約書の名義が「金銭消費貸借契約」

正規のファクタリング契約は、「債権譲渡契約」または「売買契約」として締結されます。
契約書のタイトルや内容に「金銭消費貸借契約」「融資契約」といった文言が含まれている場合、それはファクタリングではなく貸付です。

貸金業を営むには貸金業登録が必要であり、無登録で貸付を行う業者は「ヤミ金融」に該当します。
金融庁は、契約書に「債権譲渡契約(売買契約)」と記載されていても、経済的に貸付と同様の機能を有している場合は貸金業に該当する恐れがあると警告しています[2]。

契約書の内容を隅々まで確認し、不明な点があれば必ず説明を求めてください。
説明を渋る、または曖昧な回答しかしない業者とは契約すべきではありません。

【鉄則3】相見積もりで「市場の目」を持て

3つ目の鉄則は、「必ず複数社から見積もりを取る」ことです。
これは銀行融資でも同様ですが、1社だけに相談すると、その条件が妥当かどうかを判断する基準がありません。

相見積もりを取ることで、手数料の相場感を肌で感じ、各社の対応の質を比較し、自社にとって最適な選択ができるようになります。

なぜ1社だけに任せると足元を見られるのか

資金繰りに困っている経営者は、どうしても「早く現金が欲しい」という心理状態になります。
その焦りを悪用し、相場より高い手数料を提示したり、不利な契約条件を押し付けたりする業者が存在するのも事実です。

1社だけに相談していると、提示された条件が妥当なのかどうかを判断できません。
結果として、「他に選択肢がない」と思い込み、不利な条件でも契約してしまうケースが後を絶ちません。

複数社から見積もりを取ることは、単に安い業者を探すためだけではありません。
「市場の目」を持つこと、つまり自社の売掛債権がどの程度の価値を持っているかを客観的に把握するためなのです。

相見積もりで確認すべき5つの項目

相見積もりを取る際には、以下の5つの項目を必ず確認し、各社を比較してください。

1つ目は「手数料率」です。
同じ売掛債権でも、ファクタリング会社によって提示される手数料は異なります。
下限だけでなく上限も確認し、「〇%~〇%」の範囲が明確に提示されているかをチェックしてください。

2つ目は「追加費用の有無」です。
事務手数料、登記費用、印紙代、振込手数料など、手数料以外にかかる費用がないかを確認します。
表面上の手数料が安くても、諸費用を含めると高くなるケースがあります。

3つ目は「入金までの日数」です。
即日入金を謳っていても、実際には条件が整った場合のみというケースがあります。
自社の資金需要に合った対応が可能かを確認してください。

4つ目は「契約条件」です。
償還請求権の有無、債権譲渡登記の要否、必要書類の種類など、契約に関わる条件を比較します。

5つ目は「担当者の対応」です。
質問に対して誠実に回答してくれるか、不明点を丁寧に説明してくれるかは、その会社の姿勢を表しています。
対応に不信感を覚えたら、その会社との契約は避けるべきでしょう。

銀行融資と比較検討するという視点

ファクタリングを検討する際に忘れてはならないのが、「銀行融資との比較」という視点です。

元銀行員として申し上げますが、ファクタリングは確かにスピードと柔軟性において銀行融資を上回る場面があります。
しかし、コスト面では銀行融資の方が有利なケースがほとんどです。

銀行融資の金利が年1%~4%程度であるのに対し、ファクタリングの手数料は1回の取引で8%~18%かかることがあります。
これを年利換算すると、ファクタリングのコストは非常に高いことが分かります。

ファクタリングは「銀行融資が間に合わない緊急時」や「銀行融資の審査が通らない状況」での選択肢として有効です。
しかし、慢性的にファクタリングに依存すると、売上が目減りし続け、経営を圧迫することになりかねません。

可能であれば、ファクタリングと並行して銀行融資の可能性も模索し、中長期的な資金調達計画を立てることをお勧めします。

悪質業者に騙されないための最終チェックリスト

ここまで3つの鉄則をお伝えしてきましたが、最後に、契約前に必ず確認していただきたいチェックリストをまとめます。
一つでも該当する項目があれば、その業者との契約は慎重に検討してください。

金融庁・日本貸金業協会の警告を確認する

金融庁は公式サイトで「ファクタリングの利用に関する注意喚起」を公開し、偽装ファクタリングの特徴や判例を紹介しています。
また、日本貸金業協会では「ヤミ金(悪質業者)の実例検索」機能を提供しており、業者名を入力して検索することで、過去に問題を起こした業者かどうかを確認できます[3]。

契約前にこれらのサイトを確認し、該当する業者ではないことを確かめてください。
特に、協会の検索結果に該当する場合は、絶対に契約してはなりません。

以下のチェックリストを、契約前の最終確認にご活用ください。

  • [ ] 会社の住所・電話番号が公式サイトに明記されているか
  • [ ] 連絡先が携帯電話番号や050で始まるIP電話のみになっていないか
  • [ ] 国税庁の法人番号公表サイトで法人の実在が確認できるか
  • [ ] 契約書の名称が「債権譲渡契約」または「売買契約」になっているか
  • [ ] 償還請求権(買戻し義務)が契約に含まれていないか
  • [ ] 手数料率が相場の範囲内(2社間:8%~18%、3社間:2%~9%程度)か
  • [ ] 追加費用や諸経費の内訳が明確に説明されているか
  • [ ] 日本貸金業協会の「ヤミ金検索」で該当しないか

担当者の対応で見抜く危険なサイン

書類やウェブサイト上の情報だけでなく、担当者の対応からも危険なサインを読み取ることができます。

以下のような対応をする業者には注意が必要です。

契約を急かす業者は危険です。
「今日中に契約しないと条件が変わる」「他にも申し込みがある」など、考える時間を与えずに契約を迫る業者は、冷静な判断をさせたくない理由があると考えられます。

面談を一切行わない業者も要注意です。
オンライン完結型のサービスが増えていますが、高額な取引であるにもかかわらず、利用者との面談を一切行わない、または行いたがらない業者は、本来負うべきリスク評価を怠っている可能性があります。

質問への回答が曖昧な業者は避けるべきです。
手数料の計算方法、契約条件の詳細、リスクの説明などについて、明確な回答をしない、または話を逸らすような対応をする業者は信頼できません。

逆に、デメリットやリスクについても正直に説明してくれる業者は、信頼に値する可能性が高いと言えるでしょう。

まとめ:自分の目で確かめる経営者だけが、資金繰りを制する

この記事では、ファクタリング会社を選ぶ際の「3つの鉄則」をお伝えしました。

【鉄則1】公的機関のお墨付きを確認せよ
経営革新等支援機関の認定や、国税庁の法人番号公表サイトを活用し、その会社の信頼性を客観的に確認する。

【鉄則2】契約条件の「3つの地雷」を見抜け
償還請求権の有無、手数料の妥当性、契約書の名義を必ずチェックし、偽装ファクタリングの被害を防ぐ。

【鉄則3】相見積もりで「市場の目」を持て
複数社から見積もりを取り、手数料や条件を比較することで、自社にとって最適な選択を行う。

検索結果の1ページ目に表示される情報が、必ずしも正確で中立的とは限りません。
ランキングサイトの順位に惑わされることなく、ご自身の目で確かめ、判断することが何よりも重要です。

銀行員時代、私は多くの経営者と向き合ってきました。
その中で強く感じたのは、「情報を持っている経営者」と「情報を持っていない経営者」では、資金調達の選択肢も、交渉力も、大きく異なるということです。

この記事が、皆様の情報格差を少しでも埋める一助となれば幸いです。
資金繰りは経営の生命線です。
しかし、焦って判断を誤れば、かえって経営を圧迫することになりかねません。

正しい情報を手に入れ、冷静に判断し、最適な資金調達を実現してください。
皆様の事業の発展を、心より応援しております。

参考文献

[1] 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
[2] 中小企業庁「認定経営革新等支援機関」
[3] 日本貸金業協会「悪質な金融業者にご注意」